ヤマトビト

〜DAISUKE OZAKI 詩集〜

消滅の灯火を前にして

 

錆びて 朽ち果てる

積み重ねし 自由という名の不自由は

細胞を粉々に壊してゆく

 

長期戦にも似た 人生の道は

凍てつく氷に吹きつける風のように無情だ

ほんの瞬間の安らぎは 

もはや 風前の灯

 

足は地から離れ 天井を見つめて暮らす

クソッタレの五感

粗末に扱われた なれの果て

最後の仕事は あまりにも重たい

 

助けは来ない

時間と骨肉を 蝕む痛みに

独りきりの夜が 永遠のように続いてゆく

誰にも知られないまま

灯は消えてゆく

 

ただ果てるのを待つ哀しみ

何ゆえに 人はそれを背負うのだろう

どうして 和の恩恵を受けながら

生きては行けないの?

 

私は変える

変えてみせる

 

この世に 諦めの闇の雲を晴らす

すべての一滴まで 消滅させる

 

このまま終わらせてたまるか